『こころ』という総合文芸誌vol.2の表紙絵は、串田孫一さんの駱駝の絵です。
なにも主張せず、ただそこに佇んでいるだけですから・・とさえ言わなさそうな静かな駱駝の挿絵。
背中にコブがあるので、「みんなと違ってたって、なんてことはないさ。」くらいは
どこかで思っているかも知れない。
駱駝の絵をまくると、串田さんの『博物誌』から、英語の採点のエピソードがのっています。
幾ら丸をつけてもこのcamelは煙草にならないとか、ほかのことを考えて丸をつけそこなったり
していて、丸をつける側のこころの動きが、楽しいのです。単なる作業ではない^^
で、camelと書けない受験者の苦しみの痕跡に嬉しくなっていたり、書けなくても
何とか工夫している回答(lacdaとかsand horseとか)に、これなら二重丸あげたら?と^^
さて駱駝にまつわる息子とのやりとりから。
私 :らくだってcamelって知ってた?
息子:知ってるよ。じゃ、ろばしってる?
私 :あーわかんない。
息子:donkeyだよ。
私 :donkey kongって、ゲームならゴリラなのにね。
じゃ、kongがゴリラの意味かな。
息子:ちょっと待って、(辞書を引いて)ゴリラはgorillaだ。
私 :えーーじゃ、donkey kongってなんなのぉ?
kingがついたらkongがゴリラの意味になるのかな・・
息子:ちょっと待って、(辞書を引いて)king kongは映画に出てくる架空のゴリラだって。
kongは辞書にない。
~~・・・うーんなんともややこしい。ゴリラと思っていたけど、あなた、さてはろばさん?
そんなことは、、ないですよね。・・あ、架空のろばゴリラ?
『こころ』編集後記より、十三年前の会話
編集山本さん:同じ山に毎週のように登って、何か、面白いのでしょうか?
串田孫一さん:どの草花も、石ころ一つも、毎日ちがう表情をしていますからね。
今日も一日をたいせつに・・・